増担解除投資法

株式投資で最も高い勝率実績を誇るのが、増担解除投資法である。
トップページでも説明したが、相場が過熱した場合に信用取引残が規定ラインを超えたり、株価があ短期間で急上昇し、25日移動平均線との乖離率が一定のラインを超えると、信用取引規制を引くのが増担規制である。
通常の信用取引は現金委託証拠金率が30%だが、規制が入ると50%、70%と自己資金を多く必要とする為、資金的余裕がない個人投資家からの買いが入りにくくなる。
したがって、株価も下落するかヨコヨコの状態となる事が多い。
特に現金委託証拠金率70%となる増増担となると、ほとんどの銘柄は下落傾向となる。

ところが、増担規制はマイナスばかりではない。
人気銘柄という条件がつくが、規制解除で一気に爆上げする事が非常に多いのだ。
したがって、規制解除ライン最終日(解除ライン連続5営業日クリア)は、規制解除期待で株価が一気に上昇するケースが多い。
ただし、規制解除ライン最終日は、解除ラインギリギリの攻防となるので、最新の注意を払わなければならない。
万一解除ならずとなった場合に、失望売りとなる可能性が高く、暴落の危険性もあるのだ。
日本通信とマイクロニクスで増担解除ラインギリギリの攻防が見られた。
日本通信は解除ラインの1円上で引けとなり、解除までのカウントが1からやり直しとなった。
翌日は地合いの良さと材料もあって上がったものの、朝の板は大きなGD気配だった。
地合いが悪ければ大きなダウンとなっていただろう。

そしてマイクロニクス
2014年7月2が解除ライン5日目最終日、解除ラインは7,470円ならOK、7,480円でアウトという局面だ。
この日は終始7,300円あたりをウロウロしていたが、引けに近づくにつれ、案の定7,470円の攻防となった。
このときは200株所持していたのだが、どうしようか迷った。
万一解除を逃せば、翌日暴落の危険もあるからだ。
そこで、安全策をとって引け指値7,470円で売りに出したのだが、これが大きな失敗だった。
結局7,470円ギリギリで引け、解除となり、翌日は大きくGUした。
翌日は8,030円で100株だけ買い、8,820円で売った為、約8万円の利益だったが、持ち越していれば28万円の儲けだったのである。

ここで一つ勉強になった事は、私が使っている証券会社は楽天証券なのだが、楽天証券は朝の成り買い以外は早い者勝ちの為、前日の引けと同時に解除ラインを計算し、その場で引け指値を解除ラインの1つ上に入れておけば良かったのだ。
解除ラインを知っている人ならわざわざ解除ラインの一つ上で買う人はいないと思われるがそこまで気にしないで買ってくる人もいる為、早い者勝ちなら売れる可能性は十分にあるのだ。
そこでポイントとなるのが、解除前日にどうやって解除ラインを計算するか、という事だ。
そこで、計算方法を紹介したいと思うので、増担解除投資法を実践してみたいと思う人は、ぜひ覚えてもらいたい。
※この計算は、解除ラインギリギリの攻防が予想される場合のみに必要であって、ストップ高でも解除確定の場合は必要ない。
また、はじめから持ち越すつもりの場合も同様である。
注)増担解除条件には、信用取引残比率もあるが、ほとんどの場合はクリアうるので、こちらでは25日線との乖離率のみ解説する。
ただし、念のため、東証ホームページ等で、信用取引残比率も確認しておいた方が確実なので、念のため付け加えておく。

●解除ライン計算方法
規制解除の条件として最も重要なのが、5日連続してその日の終値が25日移動平均線との乖離率が、1.15倍以内である事だ。
25日線の平均株価は、楽天証券の場合だと日足チャートを見れば表示されているので、それを参照してもらいたい。
で、計算方法だが、引け後の25日線の平均株価をまず見る。
借りに、5,000円だったとする。
この場合は、単純に5,000×1.15=5,750円となり、この日の終値が5,750円以下であれば規制ライン内だ。
もし、終値が5,750円を超えていた場合は、仕切り直しという事になり、最短でも5営業日後までお預けだ。
問題なのは、明日の解除ラインを正確に計算しなければならない点だ。
では、そうやって明日の解除ラインを計算するかだが、その為には26営業日前の終値を知る必要がある。
借りにこれをXとする。
そして、明日の終値をYとする。
さらに、解除前日の25日線をHとする。
26日前の終値は、ヤフーファイナンスの「時系列」で確認できる。

★計算式
計算式は、次の通り
(((Y-X)÷25)+H)×1.15=解除ライン

★解説
明日の終値(Y)は、大体の目星をつけた金額だ。
したがって、一回目の計算で解除ラインを割り出す事は、ほぼ不可能である。
1買い目は、おおよその目星をつける為の計算ととらえてほしい。
では、仮にYを5,800円、26日前の終値Xを3,500円、前日の25日線は5,000円に想定したとしよう。
(上の例では、5,750円という数字が出ているので、これを目安とする)
すると、計算式は次のようになる。

5,800円-3,500円=2,300円
2,300円÷25=92円
5,000円+92円=5,092円
5,092円×1.15=5,855.8円

この段階では、明日の終値が5,855円までは解除確定だが、5,860円の可能性もあるので、これも計算する。
やり方は同じだ。
5,860円-3,500円=2,360円
2,360円÷25=94.4円
5,000円+94.4円=5,094.4円
5,094.4×1.15=5,858.56円

解除ラインは5,858.56円となり、5,860円ではオーバーしてしまう事がわかる。
すなわち、明日の解除ラインは5,855円という事になる。
したがって、引けと同時に引け指値5,860円を入れておきく事が正解となる。

以上、増担解除投資法を解説してきたが、この投資法はあくまでも人気銘柄に限定されるので、そこは注意して頂きたい。